お上のやったことは確かに正しいのですが、それで職にあぶれるヒトが増えるのは、政府としては都合が悪いでしょう。ワーキング・プアを撲滅し、年金・税金のこれまでのシステムを墨守したいというのが現政府の政策ですから。ただしグッドウィルという会社がなくなっても、日雇い派遣という仕事がなくなるわけではありません。
だから現在困るヒトが出ても、やっぱりこういう会社はつぶれた方が良いのです。私も今から5年前、社労士受験もう後がないという会社を辞めた無職の時期、この日雇い派遣で食いつなごうとした時期がありました。何と言っても自由な時間に働けます。それで勉強時間も捻出できるという読みです。
しかし現実はそう甘くありませんでした。
まず当たったのが某百貨店の改装工事です。ほとんど指示がなく放っておかれました。やっと指示があったと思ったら廃材の片づけで、重い廃材を持って階段を上下します。腰がそれだけで悪くなるような作業です。仕事ではなく作業ですね。疲れて帰ると何もヤル気が起きないような状態です。
まあ仕事があるうちは良いのです。しかし呼び出しがあって行くと「今日の作業は中止になった。お帰りください」です。交通費の支給もお詫びもなし。担当者も当然という顔をしています。ユニフォームのTシャツを500円で買ったのですが、この時点でああこりゃダメだ、と思い、コンビニに転向したのです。
コンビ二は時給は安いのですが、それだけラクです。時間は決まっていますし、いきなり「明日来てくれ」とはなりません。勉強するにはこちらの方がはるかに適していました。それで半年後受験して合格したのです。
私は受験という目標があったから良いのですが、こういう業態に慣れて中途半端に多い程度のおカネをもらえるとなると、惰性でズルズル行ってしまうのが怖いのです。日雇い派遣は現場の「本職」と比べると差別され、技術のある仕事は任せてもらえません。ヒトの人生のテーマが成長とするならば、少なくとも仕事を通じた成長は少ないでしょう。
本当にツナギなら良いのですが、こういう場面の被害者はズルズル行ってしまっているヒトも含まれます。会社の倒産は忌むべきものですが、この例に限って多くの若者の目を覚ましたのではないかと思っています。


